高齢者の食生活意識調査B
高齢者の食生活意識調査
A.調査の概要
B.調査結果の概要(全体)
C.調査結果の概要(満足度別)
D.まとめ
E.調査結果の概要(市・町村別)
F.調査結果の概要(地域別)
G.数値表
B.調査結果の概要(全体)
- 1.調査票の回収率
調査件数 2,301件
回答数 2,185件
回収率 95.0%
2.調査回答者の属性
(1)性別
- 男性(45.5%)、女性(46.6%)で、ほぼ同率であった。
年代別でみると、年代が上がると共に、男性の割合が高くなる。(60代では男<女が、80代では男>女に逆転)
図1―1:性別割合(全体)
図1―2:性別割合(年代別)
(2)年代別
60代(31.1%)、70代(37.0%)、80代(31.9%)で、70代の割合がやや高い。
図2:年代別割合(全体)
(3)家族形態
「夫婦のみ(43.8%)」が最も多く、次いで「その他(36.5%)」、「一人暮らし(18.1%)」の順であった。約8割の者は誰かと一緒に暮らしており、約2割が独居であった。
性別でみると、男性で「夫婦のみ」の割合が高く、女性で「一人暮らし」の割合が高い。
年代別でみると、60代では、「夫婦のみ」の割合が最も高いが、年代が上がると共に低くなり、反対に「一人暮らし」、「その他」の割合が高くなる。
図3―1:家族形態別割合(全体)
図3―2:家族形態別割合(性別)
図3―3:家族形態別割合(年代別)
(4)疾病の状況
「糖尿病、高血圧、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞・狭心症」の罹患状況は、約2人に1人が、いづれかに罹患していた。
性別による差はみられなかった。
年代別でみると、年代が上がると共に、罹患率が高くなる傾向にあった。
図4―1:罹患割合(全体)
図4―2:罹患割合(性別)
図4―3:罹患割合(年代別)
罹患疾病の内訳別でみると、高血圧が31.8%と最も多く、次いで高脂血症、心筋梗塞・狭心症、糖尿病が8%台を占め、脳卒中が1.0%であった。
性別でみると、男性で糖尿病の割合が高く、女性で高脂血症の割合が高い。(共に約2倍)
年代別でみると、年代が上がると共に、高血圧は高く、高脂血症は低くなる傾向にあった。
図5―1:疾病別罹患割合(全体)
図5―2:疾病別罹患割合(性別)
図5―3:疾病別罹患割合(年代別)
3.調査結果
(1)食事と健康に対する意識
約8割の者が、「健康のために食事に気をつけている」と回答した。
性別でみると、女性で「気をつけている」の割合がやや高い。
年代別でみると、年代が上がると共に、「気をつけている」の割合が漸増する。
図6―1:食事と健康の意識(全体)
図6―2:食事と健康の意識(性別)
図6―3:食事と健康の意識(年代別)
(2)現在の食事についての満足度
「非常に満足している(21.3%)」、「まあ満足している(68.0%)」をあわせると、約9割の者が、日頃の食事に満足していると回答している。
性別でみると、「非常に満足」の割合が男性でやや高い。
年代別でみると、「非常に満足」と「まあ満足」をあわせた割合に差はなかったが、「非常に満足」の占める割合が、年代が上がると共に、高くなる傾向にある。
図7―1:食事満足度(全体)
図7―2:食事満足度(性別)
図7―3:食事満足度(年代別)
(3)食事準備
食事を「自分で作る(39.7%)」が最も多く、次いで「配偶者が作る(35.7%)」の順であった。
性別でみると、男性は約8割が「配偶者」と回答し、女性は約8割が「自分」と回答した。
年代別でみると、年代が上がると共に「自分」が低くなり、「配偶者以外の家族」が高くなる。
図8―1:食事準備(全体)
図8―2:食事準備(性別)
図8―3:食事準備(年代別)
(4)食事時の状況
「いつも誰かと一緒に食べる(68.9%)」が約7割を占めていた。
性別でみると、男性で「いつも誰かと一緒(85.4%)」の割合が高く、女性では「ほとんど1人(27.2%)」の割合が男性の約3倍と高い。
年代別でみると、年代が上がると共に「いつも誰かと一緒」の割合が低くなり、「ほとんど1人」が高くなる。
図9―1:食事状況(全体)
図9―2:食事状況(性別)
図9―3:食事状況(年代別)
(5)食事時間の満足度
「満足している(58.4%)」が最も高く、次いで「まあ満足している(32.4%)」の順であった。この両者をあわせると、約9割の者は食事にかける時間にほぼ満足していた。
性別でみると、男性で「満足」の割合がやや高い。
年代別でみると、「満足」と「まあ満足」を合わせた割合に差はみられないが、「満足」と回答する者の割合が、年代が上がると共に高くなる。
図10―1:食事時間の満足度別割合(全体)
図10―2:食事時間の満足度別割合(性別)
図10―3:食事時間の満足度別割合(年代別)
また、実際に食事にどのくらいの時間をかけているかについては、21~30分が916人(全体の約4割)で最も多く、次いで16~20分、31~40分であった。
図11:食事時間
(6)疾病による食事制限の有無
食事制限が「ある」と回答した者は(17.4%)であった。
性別・年代別による差はみられなかった。
図12―1:食事制限別割合(全体)
図12―2:食事制限別割合(性別)
図12―3:食事制限別割合(年代別)
(7)歯の状況
「噛みづらいものもあるがだいたい食べられる(48.5%)」が約半数を占め、次いで「何でも食べられる(42.4%)」の順であった。また、「噛めないので食べたいものが食べられない」は(3.4%)であった。
性別による差はみられなかった。
年代別でみると、70代で「何でも噛める」の割合が低くなり「噛みづらいものもある」が高くなる。また、「噛めない」の割合が年代が上がると共に漸増している。
図13―1:歯の状況別割合(全体)
図13―2:歯の状況別割合(性別)
図13―3:歯の状況別割合(年代別)
(8)食事サービスの利用状況
惣菜・弁当・外食・配食サービス等の利用は、「ほとんど利用しない(49.5%)」が約半数を占め、利用頻度が多くなるほど、利用割合は低くなっていた。
性別でみると、男性は「ほとんど毎日」「週に1~3回」の割合が高く、女性は「月に1~3回」の割合が高い。
年代別でみると、年代が上がると共に「月に1~3回」「利用しない」の割合が低くなり、「週に1~3回」「ほとんど毎日」の割合が高くなる。
図14―1:食事サービスの利用別割合(全体)
図14―2:食事サービスの利用別割合(性別)
図14―3:食事サービスの利用別割合(年代別)
(9)食品入手時の不便の有無
食品の入手について、「不便がある(7.4%)」、「不便がない(85.4%)」で、ほとんどの者は不便を感じていなかった。
性別でみると、「不便がある」の割合が女性で高い。
年代別でみると、年代が上がると共に「不便がある」の割合が高くなる。
また、不便を感じている者の理由としては、「店が遠い」が最も多かった。その他には「足・腰が悪く、買い物に行きづらい」「希望する商品が近くの店では入手しづらい」という意見であった。
図15―1:食品入手別割合(全体)
図15―2:食品入手別割合(性別)
図15―3:食品入手別割合(年代別)
(10)食費に対する意識
食事に「十分お金をかけてもいい(55.4%)」が約半数を占めていた。
性別でみると、「十分お金をかけてもいい」の割合は男性で高く、「どちらともいえない」の割合は女性で高い。
年代別による差はみられなかった。
図16―1:食費の意識別割合(全体)
図16―2:食費の意識別割合(性別)
図16―3:食費の意識別割合(年代別)
(11)運動の状況
「ほとんど毎日(32.8%)」が最も多く、次いで「特にしていない(28.0%)」、「週に3~4回(19.4%)」であった。運動の効果を頻度から評価すると、約5割の者が、好ましい習慣(ほとんど毎日+週に3~4回)をもっている事が伺える。
性別でみると、「ほとんど毎日」の割合は男性で高く、「特にしていない」の割合は女性で高い。
年代別でみると、70・80代で「ほとんど毎日」の割合が高くなるが、80代ではそれ以外の「週に3~4回」「週に1~2回」割合が減り、「特にしていない」の割合が高くなる。
図17―1:運動の状況別割合(全体)
図17―2:運動の状況別割合(性別)
図17―3:運動の状況別割合(年代別)
(12)睡眠の状況
「よく眠れる(45.1%)」、「まあ眠れる(40.2%)」をあわせると約8割の者が眠れると回答し、「あまり眠れない(8.5%)」、「眠れない(0.6%)」と回答した者が約1割であった。
性別でみると、男性で「よく眠れる」の割合が高い。
年代別による差はみられなかった。
図18―1:睡眠の状況別割合(全体)
図18―2:睡眠の状況別割合(性別)
図18―3:睡眠の状況別割合(年代別)
(13)趣味の有無
約7割の者が趣味を「持っている」と回答した。
性別による差はみられなかった。
年代別でみると、80代以上で「趣味を持っている」の割合が低くなる。
趣味の内容は、多種多様であったが、カラオケ、読書、園芸、囲碁・将棋、フォークダンス、ゲートボール、グランドゴルフ等が多かった。
図19―1:趣味の有無別割合(全体)
図19―2:趣味の有無別割合(性別)
図19―3:趣味の有無別割合(年代別)
(14)生きがいの有無
約7割の者が生きがいを「持っている」と回答した。
性別による差はみられなかった。
年代別でみると、年代が上がると共に、生きがいを「持っている」の割合が漸減する。
生きがいの内容は、「趣味が生きがい」という者が一番多く、それ以外では、「子供や孫の成長」「多くの人との交流」「ボランティア活動」「役員等で人の世話をする事」という意見がみられた。
図20―1:生きがいの有無別割合(全体)
図20―2:生きがいの有無別割合(性別)
図20―3:生きがいの有無別割合(年代別)
(15)食品の摂取状況
どの食品グループも、半数以上の者が摂取していた。特に、魚介類、大豆製品、海藻、緑黄色野菜、淡色野菜、果物、穀類は8割以上の者が摂取していた。
また、摂取食品グループ数でみると、10~14食品グループを摂取した者は、各300人程度で計1527人(71.0%)であった。
図21:食品グループ別摂取割合
図22:摂取食品グループ数
摂取食品グループ別に見て、人数差が最も大きかった9食品グループ以下と10食品グループ以上に分類したところ、性別では、「10食品グループ以上」摂取 する者の割合が、女性で高く、年代別では、年代が上がると共に、「10食品グループ以上」摂取する者の割合が低くなっている。
図23―1:摂取食品グループ数別割合(性別)
図23―2:摂取食品グループ数別割合(年代別)